色覚異常についてもっと知ってください その22

信号機の色の錯覚について

前回に引き続き、信号機についてお話しします。

強度色覚異常者にとって、信号機の色の判別は簡単ではありません。基本的に色では判別できないので、点灯位置に頼ることになりますが、これがまた曲者なのです。


1. 昼間は青信号と赤信号の両方共が見づらく(消えているように見える)、まともに見えるのは黄信号だけです。それも、黄色かどうかは分かりません。また、黄信号は一瞬しか点灯しません。そのため、昼間の信号機は発見が非常に難しいです。


2. 夜間は、青信号は白く、黄信号と赤信号はともに黄色に見えます。白っぽい街灯や対向車のヘッドライトは青信号に、黄色っぽい街灯や看板の電灯などは赤信号に見えて、どれが本物の信号なのか分からなくなります。(それでも、運転は夜間の方がしやすいです。どれが本物か分かりづらくても、とにかく見えてはいるのでどれかが本物。1.に書いたように、昼間は黄色以外は信号が点灯していることすら分からず、信号機そのものを見落としてしまう可能性が大きいからです)。


3. 1.のため、昼間、遠くからでは信号機の点灯位置が分からず、前方の信号が青なのか赤なのか分からず、運転中、減速準備にかかるべきかどうかよく迷います。免許取得時に運転免許試験場で受けた適性検査の結果では、青信号は50m、赤信号は20mまで近づかないと点灯していることすら分かりませんでした。


4. 夜間は信号機の輪郭が見えないため、そもそも点灯位置による判別が不可能です。


5. 信号機に接近してきて点灯位置が見えてきても、色の認識に数秒かかるため、左端が白く点灯していても、それが本当に青信号なのかどうか不安になります。数秒かかっている間にも車はどんどん交差点に近づいていくので、かなり怖いです。


6. 信号機の色を自信を持って判断できるのは、信号の変わる瞬間だけです。すなわち、


白い光があり、それが消えて右隣にやや黄色っぽい光が出現し、すぐに光が消える(実際には赤信号が点灯しているが私には見えない)のを見ると、ああ、あそこに信号があって、今、青→黄→赤と変化したな、と分かるのです。つまり、


強度色覚異常者は、色はもちろんのこと、点灯位置ですら信号を判別できず、点灯位置の変化によって信号を判別しているだけなのです。信号が変わる瞬間を見逃すと、赤信号は見えないため、気づかずに赤信号の交差点に誤って進入してしまう可能性があり、大変危険ですので運転には非常に気を遣います。


最後に、友人が外国で撮影した写真を以下に示します。


 外国の信号


私が見ると、これは非常に鮮やかな赤信号に見えて疑いません。でも、他の人々に聞くと、皆、青信号だと言います。私はいくら見ても赤信号にしか見えません。

国によっては日本と信号機の配列が逆になっていますが、実際にこの国の信号の配列が日本と逆になっているのかどうかは分かりません。ただ、「右端は赤」と覚えているために私の脳が錯覚を起こしているのです。


一方、奧の方にも信号がありますが、この信号は何色なのかさっぱり分かりません。遠くて小さく見える信号については、全く色の判別が不可能です。右端が点灯していることだけは分かりますが、(やや黄色味を帯びた)ごく小さい白い光の点のように見えます。


上記は外国の話ですが、これはかなり重要な意味を持ちます。日本においても、運転中、特に緊急事態の時には一瞬にして判断しなければならないことが多々ありますが、判断に数秒を要するため、対応が遅れる可能性が大きくなります。


電車の信号も同じです。電車の信号はどの位置が何色なのか教わったことがないため、私が電車の信号機を見ても、全く何色なのか見当も付きません。つまり、事前の位置情報がないと青信号と赤信号の区別ができないわけです。このことは、色だけでは信号機を区別できていないことを意味しています。


LED信号は最悪です。強度色覚異常者にとっては、


(a) 暗い (b) 遠い、あるいは小さい (c) 動いている (d) 点灯時間が短い


などの場合は全部白色に見えます(暗い場合はグレーのような感じになる)。LED信号は小さい粒粒の集まりですので、どの信号も全部白色の小さな点の集まりに見えて困ります。さらに運転中は(c)にも該当するのでさらに見にくくなります。色弱(軽度色覚異常)の人にはLED信号は見やすいのかも知れませんが、私は色盲(強度色覚異常)なのでよく分かりません。とにかく、LED信号は見にくくて最悪です。


強度色覚異常者である以上、運転には人の何倍、いや、何十倍も気を遣います。絶対に事故を起こすわけにはいかないからです。でも、実は、ついに事故を起こしてしまいました。次回、そのことを書き綴りたいと思います。